夜が更けても眠れない。
天井を見つめながら、「今日もまた眠れないのか」とため息をつく。
静まり返った部屋の中で、時計の針の音だけがやけに大きく聞こえる。
こんな夜、きっと自分だけが取り残されたような気がしてしまう。
でもね、眠れない夜って、実はあなたの味方でもあるんです。
眠れないのは、ちゃんと「感じている」証拠
眠れない夜は、たいてい心が動いているとき。
悔しかった日、悲しかった日、がんばりすぎた日。
心が一生懸命に何かを消化しようとしているから、すぐには眠れない。
それは決して悪いことじゃなくて、むしろ“感じる力”がある証拠です。
鈍感にやり過ごすこともできたはずなのに、
ちゃんと心が反応している。
だからこそ、少し時間がかかるだけ。
眠れない夜の中で、心はゆっくりと整理されていきます。
無理に寝ようとしないで
眠れないとき、「寝なきゃ」と思うほど眠れなくなりますよね。
でも、それも当然のこと。
眠りって、“頑張る”ほど遠ざかるものだから。
私は眠れない夜に、無理せず灯りをつけて
あたたかい飲み物をいれます。
白湯やカモミールティーをゆっくり飲んで、
好きな音楽を小さく流す。
「眠らなくてもいいや」と思うと、
不思議と体がゆるんで、気づけばまぶたが重くなっていく。
眠りは、迎えに行くものじゃなくて、
“招くもの”なんだと最近思います。
眠れない夜にしか見えないもの
眠れない夜って、じつは特別な時間でもあります。
昼間の喧騒が消え、外の世界が静まり返る。
自分の心の声が、はっきりと聞こえてくる。
「本当は、どうしたい?」
「無理してない?」
そんな問いが、ふと浮かぶ瞬間があります。
眠れない夜は、自分の本音と向き合うチャンス。
少し涙が出てもいい。
それは、心がちゃんと動いている証拠だから。
それでも、夜は明ける
どんなに長く感じる夜も、
気づけば少しずつ東の空が明るくなっていく。
その光を見るたびに思うんです。
「夜って、ちゃんと終わるんだな」と。
眠れなかった夜も、無駄じゃなかった。
心が少し整理されて、昨日よりもほんの少し優しくなれる。
そんな夜を、私はこれまで何度も経験してきました。
眠れない夜は、きっとあなたを強くしてくれる時間です。
静けさの中で、心が少しずつ癒えていく。
おわりに
もし今、眠れずにこの文章を読んでいるなら、
どうか焦らないでください。
あなたが眠れないのは、心ががんばっている証。
疲れているのに、ちゃんと感じようとしているから。
眠れない夜も、あなたの味方です。
やさしく寄り添ってくれる時間。
今日もよくがんばりましたね。
朝が来たら、少し深呼吸して、ゆっくりと歩き出せばいい。
夜は、あなたを試すものではなく、
あなたを包むもの。
だから、どうか安心して――
今夜も、静かな時間を味わってください。

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