眠れない夜って、どうしてこんなに長く感じるのでしょう。
時計の針の音がやけに大きく響いて、世界中で起きているのは自分だけなんじゃないかと思ってしまう。
布団の中で目を閉じても、頭の中だけはフル回転。
昼間の会話を思い出しては「なんであんなこと言ったんだろう」と小さな後悔を繰り返したり、まだ起きてもいない明日のことを心配したり。
そんな夜は、きっと誰にでもあるはずです。
「眠れない」ことを責めないで
少し前まで、私は眠れないことが怖かった。
“ちゃんと寝なきゃ、明日に響く”
“早く寝ないと体に悪い”
そう思うほど、目が冴えていく。
そして結局、焦りの中で夜が明けて、自己嫌悪のまま朝を迎える。
でも、ある夜ふと気づいたんです。
「眠れないこと」って、悪いことじゃないのかもしれないって。
眠れない夜には、心が何かを伝えようとしているのかもしれません。
「少し立ち止まって」「ちょっと息抜きして」って。
そう思うようになってから、眠れない夜が少し優しくなりました。
夜がくれる“ひとり時間”
眠れない夜は、世界がとても静かです。
窓の外では虫の声だけが響き、街の音もほとんど聞こえない。
そんな中で、ぼんやりと天井を眺めていると、昼間の自分が遠くに感じられます。
仕事のこと、家族のこと、人間関係のこと。
昼間は忙しくて考える暇もなかったあれこれが、静かな夜には少しずつほどけていく。
誰にも邪魔されない時間。
そう考えると、眠れない夜も悪くないな、と思えるようになりました。
「今は眠れなくてもいい」と思うだけで
不思議なもので、「眠れない」ときに“無理に寝ようとしない”と、ふっと眠気がやってくることがあります。
焦らず、あたたかい飲み物を飲んだり、好きな音楽を小さく流したり。
本を数ページめくっているうちに、心がゆるんでいく。
眠れない夜に大切なのは、「寝なきゃ」と思わないことかもしれません。
今は眠れなくてもいい。
体はちゃんと休んでる。
そう思えたら、たとえ眠れなくても、心が少し軽くなる気がします。
おわりに
眠れない夜を、私はもう嫌いではなくなりました。
夜の静けさに包まれて、自分の心とゆっくり向き合える時間。
それはきっと、日中では得られない贅沢なひとときです。
もし今夜も眠れなかったら、無理に眠ろうとせず、ただ静かな時間を味わってみてください。
夜明けとともに訪れる眠気は、きっとやさしくあなたを包んでくれるはずです。

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